コラム

スーツ専用のブラシを使おう|美しく長持ちさせる方法

ご家庭で洗濯しにくいスーツやコート、セーターなどをお手入れするのに便利なアイテム「洋服ブラシ」。お洋服をブラッシングすることで、繊維の中の埃や糸くずだけでなく、花粉までも落とすことができます。

この記事では「ファッションが好きで、上質なスーツをオシャレ着としても楽しまれている方」にぴったりの洋服ブラシについてご紹介します。

ご褒美に買った上質なスーツや、ここぞという時に着るスーツなど、長期的に大切に着たいスーツってありますよね。ブラシの老舗店主が、衣類のことを考え作られた、あなたのスーツにぴったりなブラシをお教えします。

ウールのスーツにあう正しいブラシの選び方

「洋服ブラシ」とひと口に言ってもさまざまなものがあり、ブラシ×洋服の素材の相性が合わないと服の繊維が切れてしまい、お手入れするつもりが大切なスーツの寿命を短くしてしまうこともあります。スーツはさまざまな素材のものがありますが、ファッション性のある上質なスーツは天然繊維のウール(100%)が定番です。

デリケートなウールの特徴

ウール素材の「特徴」と「取り扱いの注意点」はご存じでしょうか。

【ウール素材のスーツの特徴】

  • ・高級感があり、見栄えする
  • ・弾力性、伸縮性がある
  • ・吸湿性、保湿性がある
  • ・質感、耐久性が優れている

天然繊維のウールはお手入れには注意が必要です。

【ウールの取り扱いの注意】
▼水洗いNG!

  • ・フエルト化して固くなり、繊維が縮んでしまう
  • ・油分が失われ、ウール本来の風合いがなくなる
  • ・毛玉の原因になる

▼保管に注意!

  • ・ホコリや食べこぼしは虫食いの原因になる※

※ウールは動物繊維の一種でタンパク質にあたる。そのため虫食いが起きやすい

では、デリケートなウールをどのようにお手入れすればいいのでしょうか。スーツブラシの出番です!

本来の輝きをキープする方法

スーツをクリーニングに出されている方も多いのではないでしょうか。クリーニングでは専用の洗剤を使うため生地への負担も大きく、頻繁に出すとかえってスーツの劣化を早めてしまいます。理想は、汗をかきやすい夏場は月に1〜2回、反対に汗をかきにくい冬場はワンシーズンに1回、出すと良いです。夏場もクーラーの効いた場所で仕事をする人は冬場と同様の目安です。

ただし、この目安は日頃から欠かさずブラッシングをかけてケアをしていることが前提です。スーツブラシは、繊維を傷めることなく繊維の奥にあるホコリ、花粉までも落とし、さらに毛玉を防ぐことが可能です。ウールが持つ本来の輝きをそのままにケアすることができます。

ウールのスーツのために作られたブラシ

上質なウールのスーツに合うブラシとは何なのでしょうか。柔らかさの中にもしっかりとしたコシがあり、しなやかなハリを併せ持つ良質な馬の尻尾の「産毛」が向いています。

一般的な「洋服ブラシ」は、機械で作られた量産品がほとんどです。こうしたブラシに使われている毛は硬い毛が多く、上質で繊細なウールにはあまり向いていません。

一方、馬の産毛を使ったブラシであれば、繊細な生地も傷めることなく、汚れをかき出してくれます。また、天然毛は油分や水分が含まれるため、静電気が起きにくいというメリットもあります。

このような上質な毛を使って作られるブラシは、熟練の職人が手作業で製作していることが多く、まさにこだわりの品です。大切な洋服を長く着るためには、生地の素材にあったブラシ選びが重要です。



着用後のスーツのケア

一日着用したスーツは、ホコリや花粉、食べかすなどが付着しています。特にウールは天然繊維なので汚れが蓄積されると虫食いの原因にも。スーツ着用後はその日のうちにブラッシングをし、その日のうちに汚れを取ることが大切です!

【ブラッシングをするメリット】

  • ・繊維を整えることによって、生地本来の光沢がでる
  • ・絡みかけた繊維をほぐすことで、毛玉ができにくくなる
  • ・繊維の奥に入った汚れをかき出すことで、虫食いやカビを防止

また、スーツの連日の着用は厳禁です。理想は1日着たら2日休ませる中2日おく周期。その間に風通しの良い場所で陰干しをすることで、湿気と染み込んだ汗を飛ばすことができます。ウールは復元力があるので、休ませることでシワもなくなります。

スーツブラシの使い方

ここからは、スーツブラシの使い方を解説します。

  1. 繊維の流れに逆らって埃をかきだす
  2. 繊維の流れに沿って埃を払い落とす
  3. 繊維の流れに沿って生地を整える

ブラシの持ち手は、大きく分けて2種類あります。写真左のハンドルタイプは、ハンガーに吊るした状態でブラッシングをする方に人気です。しかし、ハンドルタイプは力が分散されやすいので、直に均等に力がかかる写真右のような大判タイプがおすすめです。

ブラシのお手入れ方法

お手入れするのはスーツだけではありません。スーツの埃をとったブラシも当然ながら汚れているので、しっかりお手入れしましょう。

  1. ブラシの表面についた埃を取る
  2. 中に入り込んだ埃や毛くずは、くしを毛の根元部分から上に向かってとかすと、毛の表面に出てくるので取り除く

まとめ

この記事では、スーツに特化した洋服ブラシをご紹介しました。スーツの素材によって向いているブラシは異なるため、お持ちのスーツを確認した上で購入するようにしましょう。お値段ははりますが、長くお使いいただけるものなので、愛着がもて使い心地の良いブラシを見つけ、日々のお手入れも楽しんでみませんか。

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